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母の気持ちがわかると、妻と良い交流ができるようになった

板垣家庭 後編

先回、親子孫4世代家庭としてご紹介した板垣さんの、娘さんご夫婦をご紹介します。旦那さんは韓国人で26歳、奥さんは28歳。小さな赤ちゃんと3人で、初々しい国際カップルのご夫妻です。

学舎と僕とどっちが大事なの!?

編:奥様は留学していて韓国語もできたので、韓日のカップルでも割とスムーズに交流が始まったと思いますが、どんな風に家庭を出発しましたか?
葛藤はなかったんですか?

妻:ありました、ありました!笑
最初の頃、彼は軍隊にいて、寂しい思いをして、すごく大変だったみたいなのですが、私は教会の仕事を任されていて、忙しくて電話もとらなかったり。笑
自分は責任ある立場で仕事を頑張っているのに、横から直介出してきて話したがる感じがして、「いや、ちょっと忙しいんです」って言っちゃったりして。
そうすると、「教会の仕事と僕と、どっちが大事なの?!」という話をしてくるので、なんか、邪魔だなあなんて思ってしまったり。
最初は、そんな感じでした。

彼も軍隊を終わった後に復学して、私がしていたのと同様の教会の仕事に携わる中で、色々と経験を積んで。最初は、価値観というか心情の差のようなものがあったんですけれど、それが埋まってきて、彼が就職したら家庭を出発しようという話をして、準備を進めました。

編:ご主人から見た奥様は、どんな感じだったんですか?

夫:私の学生時代は「教会は本当に楽しいところだなあ
と感じて通っていたんです。
私の母が教会でいろんな仕事を頑張っている姿を見ていたのが原因だと思いますが、「私も、いつか教会の祝福結婚を受けよう! 文先生が与えてくれる祝福を受けよう!」
と、考えて育ってきました。
しかし祝福を受けた後、ちょっと心情的に落ち込みました。
それは、「ああ、自分にはいろいろと信仰経験が足りないんだなあ」という事が分かったからでした。
妻と会って3年ぐらいは、あまり交流がなかったんです。連絡もあまりしないし、会っても彼女は義務的に合う感じでしたから。笑

軍隊では、母の生き方についてずっと考えた

夫:私は徴兵制で軍隊に行ったんですけれど、軍隊というところは一人の時間がたくさんあり、考える時間がたくさんありました。
我が家は、私が6歳のときに父が亡くなっていて、母が独りで3人の兄弟を育ててくれたのです。

しかし、母は教会の仕事を一所懸命していて、兄弟3人だけでずっと寂しく暮らしていました。
なぜ母は、僕たち3人を置いてきぼりにしてまで教会の仕事するんだろう?、なんで僕らのことよりも教会のことを頑張るんだろう?と、その時はずっとその思いでした。それがずっと頭に残っていたのです。
なんで母はあんなに教会のことばかりするのかと…。
真実を知るために、ある時は教会の主催する修練会にも出てみました。
そんな感じでしたから、軍隊に行っても、何でそんなに神様のことをしようとするんだろう?と、ずっと考えていました。

しかし、軍隊でもその答えが出なかったので、復学した大学生の時に、教会の信徒が集まる学舎に入って、自分も神様のことを勉強してみようと思いました。
学舎に入って、2年半ぐらい、色々と経験をしてみる中で、母が感じてきた世界が少しずつ分かるようになってきました。
そこから、妻ともいい交流ができるようになってきたと思います。

編:自分が経験してみる事で、彼女がどうして学舎の事に一所懸命になるのかも分かったのですね。
それにしても、婚約してから6年は長かったですね。

妻:はい。まわりからもよくそう言われます。

編:その、長い6年間の間に、不安はなかったのですか?

妻:最初の2年は決して仲がいい関係とは言えない状態だったのですが、その後は、今彼が話してくれたように、「彼が就職したら家庭を出発しよう」と二人で前向きに目標を決めれるようになりました。
当時はスカイプで頻繁に連絡もできたので、日本と韓国という国際遠距離の不安は感じませんでした。
意思疎通もできるようになって、互いに励ましあいながら家庭を持つまでの期間を過ごしました。

親として、いつも息子を信じてやりたい

編:いまお二人は旦那さんの務める日系企業の研修で秋田にお住まいだそうですが、将来的には韓国で生活されるとうかがっています。
これからお子さんを育てる上で、ご夫婦で理想がありますか?

妻:それはまだ、夫婦ではあまり話していないですね。笑
個人的には・・・我が家は、小さい頃にキャンプに行ったりとか、よく遊びに連れて行ってくれた経験があったので、子供には楽しい思い出をいっぱい作ってあげたいです。
特に母は、子育てに関しては力を惜しまない人でした。なんでも全力でやってくれて、そこまでやらなくていいよ、と言いたくなるほど忙しいのにやってくれました。
そのような母の姿をみて育ったので、私もそんな母親でありたいと思っています。
一方で、夫婦は育ってきた環境が違います。自分だけの思いで行動に移さないで、いつも二人で話し合って方針を決めて行動に移したいと思っています。

編:ご主人は、息子さんをどんな風に育てたいなと思っていますか?

夫:妻が育った日本の家庭と、私が育った韓国の家庭では、環境が全然違いますね。私の母は仕事が忙しくて家にほとんどいませんでしたから…。笑
それに、私が小さい頃に父が亡くなってしまったので、父との記憶がほとんどありません。父が私に与えてくれていた愛情の記憶があまりなくて、私も息子に対してどう愛情を注いでいいのかわからないのが本当の気持ちです。

そんな中でも、私の母は息子を信じて全部任せてくれた人でした。例え私が家に帰ってこなかったりししても、母はいつも私を信じてくれました。一度も文句を言われたことがありません。
私の希望としては、息子が何かをしても、また何かをやりたいと言っても、息子を信じてやりたい、やらせてあげたい。それが一番です。親子の信頼関係を深くすることですね。

編:親になって初めて思う、祖父母、父母にいだく思いを聞かせて下さい。

妻:やはり、私は出産を経験したので、母も痛い思いをして産んでくれたんだなと、感謝の思いが大きいですね。
その思いは、祖父母に対しても同じです・・・お婆ちゃんは曾孫が生まれる歳になったのに、私の陣痛があった日に夜遅くまで病院に付き添ってくれたんです。
また、お爺ちゃんお婆ちゃんは私たちが秋田に戻るときに、いつも段ボールに山盛りの野菜や米をもたせてくれるんですよ。帰ってくれば、赤ちゃんをみんなで可愛がってくれます。私たちにとって、この家と4世代の家族があることが、大きな心の拠り所なんです。

夫:私は、周りの人からずっと、母を助けてあげなきゃいけないよと言われてきたのですが、これまではそれがピンとこなくて、その言葉の意味がよくわかっていませんでした。
でも、息子が生まれて懸命に子育てしていると、男3兄弟を母一人で育ててきた事が思い出されて、もっとお母さんを助けてあげなきゃいけなかった、大変だったんだなあと思う気持ちが芽生えてきました。今は本当に感謝しているんです。

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