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ステージ4の悪性リンパ腫も家族で乗り越えた 後編

長山家庭 後編

前回に引き続き、豊田市にお住いの長山さんご夫妻をご紹介します。

長山さんご夫妻の長女(当時11歳)は2014927日の御嶽山噴火に巻き込まれ聖和されています。

その悲しみからがんを発病した夫・幸嗣さんの闘病のお話をうかがいます。

2世が先に霊界に行くなんて考えられなかった

:闘病中、自分の聖和については頭をよぎりましたか?

 

:聖和しても娘に会えるし、聖和しなかったらしなかったで現実で頑張るしかないと。

 

最初に説明を受けた時、お医者さんは「特殊な」とか「すごく治りにくい」とか、すごく言いづらそうにしていたので、「ああそうか、そんなに深刻なんだ」と思って。

 

:病状の説明を受けた後も看護師さんが「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたりしましたけどね。その時だけでしたね。ちょっと悩んだとすれば、その一晩だけ。

 

もう、前に行くしかないので。やることはやって、っていう感じで。

 

:あの、噴火の時のことを考えたら、こんな事は大したことないなと思いました。あの時は本当に、天地がひっくり返ったような思いをしたんです。待機所で、いつまで経っても娘が見つからなくて。見つかったら見つかったで大変でね。

 

2世が先に霊界に行くなんて考えられなかったので。2世は神様に守られて、大事に成長して、と思っていたので、突然事故でなんて考えもしないし。そういう事があったから、自分のがんなんて「まあ死ぬ時は死ぬよね」という感じでした。

 

あとはもう、教会の婦人代表や、教区長がすごく意識してくれたので、頑張ろうっていうか、気が楽になったというか。そこでの安心感というのはすごくありました。

お母様に頂いた赤い聖衣

世界平和統一家庭連合の教会員は創設者である文鮮明師と韓鶴子総裁ご夫妻を真の父母、真のお父様・真のお母様と呼び、ご夫妻が着用した衣類を聖物・聖衣として大切にしています。

 

:長山さんは治療中に、お母様に頂いた聖衣を体に当てていたとうかがいましたが。その聖衣をちょっと拝見できますか?

 

(妻・文枝さんがタンスから聖衣を出して見せてくれる)

 

:この、赤い服なんですよ。これを、こんな感じでお腹に当てていたんですけれど。入院前からずっと、退院してからもしばらく家でお腹に当てていました。

 

:退院後1ヶ月の検査で治っているか解るので、確かその検査が終わるまで当てていましたね。

 

他の教会の家庭部長さんをされている方がやっぱりリンパ腫で、主人よりちょっと前に病院に入院して。その方が、毎日聖衣を着ていたら数値がすごく下がったというお話があって。それで主人にも「聖衣を着なさい」とアドバイスがあったんです。その家庭部長さんも、今でも元気にしておられますよ。

 

夫:この女性物の小さい赤い服ですから、病院で着るのはちょっとまずいですよね。だからお腹に当てて(笑)。

 

:がんは骨にまで達していたとうかがいましたが・・・。

 

:そうですね。寝ていると、右の肋骨がキューっとして寝ていられなくなるほどでした。まあ、それががんなのか、お医者さんは明言してはいなかったですけど。骨まで達していると、診断されてました。

 

:一般的に、災害などがあった時に、半年後くらいからいわゆるトラウマ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)というのが出てくるらしいですけど、長山さんの場合は事故後2年を過ぎてのこと。だからかなり深い心の傷が、それこそ骨まで達するほどだったっていうことですよね。

 

それほど深刻なステージ4だったのが、奇跡的に回復したわけですね。悪性リンパ腫のステージ4ともなると、5年後の生存率が45%ほどだと聞きました。

 

:お医者さんも慰めなのかわかりませんが「抗がん剤で、けっこう皆さん治ってますよ」なんて言ってましたけど。病院側も「重症患者が来た」という感じで、最初にお医者さんが三人くらい来て、次々に何か説明してくれて。かなり深刻な状態だったんだと思いますが、こうして元気になりました。

入院中のお悩み相談

:入院中の写真の様子がわかる写真ってありますか?

 

:実は、あるんですけど・・・。子供とゲームしているところとか、ケーキを頬張っている写真しかないんですよね(笑)。

 

病院での夫の看護は24時間体制なので、私も仕事から帰ってバッとご飯を作って子供たちを食べさせて、そのあと夜に病院へ行ってました。娘も交代で行っていたんですけれど、行ってもね、いつも病室で笑い転げている、みたいな(笑)。 主人が、いろんな病院内での出来事を面白おかしく言ってくるので(笑)。

 

:けっこう、お悩み相談じゃないんですけど。看護師さんの子育てに困っている話とか、結婚したいんですけどどうしたらいいんでしょうか、とか(笑)。

 

:子育てや結婚のことは、危なげな家庭だなと見える人に相談しないでしょうから、長山さんの家庭は幸せそうに見えていたんでしょうかね。

 

:でも、自分も患者ですからね(笑)。

 

:しかも重症、ステージ4の。

 

:普通、逆じゃないですか! 僕が相談する方ですよね。でも、話をしていると、いつの間にかお悩み相談みたいな感じになっちゃうんですよね。笑

聖和というのは、私たちにとって・・・

:長山さんは聖和に対して、今どんな風に考えていますか?

 

:人間誰しも、いつかは霊界に行くと思うんですけれど。やっぱり、霊界があるということが分からなければ、たぶん、死ぬ事はすごい恐怖だと思います。

 

「死にたくない!」「死んだら終わりだ!」ってなると思うんですけど、教会にきて霊界のことも、知識としてはいろいろと教えていただいたのですが、こうやって家族が聖和したことによって霊界をもう一度考えるきっかけになりましたし、霊界があることが我々の救いなのかなって、強く感じました。

 

死んだらそこで終わりってわけじゃなくて、永遠に、死んでもそうやって続くし、霊界・永遠の世界があるからこそ、今、一所懸命生きなきゃいけないんだなっていうのを強く感じて。

 

特に娘は、何事も一所懸命やる子で。将来の夢も医者になって世界中で困っている人を助ける事だったので、霊界に行ったら、ひとのために役に立つ人間に成長して行くんだなと。

 

親として心残りは、それをこの地上で実体で夢を叶えるのを見たかったなと。

 

でも、こうして先に聖和したという事は、何か必要とされて神様に呼ばれて、私たちより先に行ったんだなと思って。

 

ですから、聖和というのは、私たちには救いだなと、思いますね。

 

:事故の直後、当時はよく夢を見たんですけれど、いつもとても楽しそうに過ごしている夢だったり、「私も元気だよ」という声が聞こえたりとか、死んで終わりじゃない。新しい世界があるんだなあと思ったし、希望があるのが聖和だなという事を一番感じました。

 

聖和式には娘の同級生とか先生とか、たくさんの方が来てくださったんです。聖和式が終わって落ち着いて、学校にもご挨拶に行ったんですけど、校長先生が、「私は初めて、こういう式(聖和式)に参加したんだけれど、悲しいだけじゃなくてとても希望のある式でした」と、おっしゃってくださいました。

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