ファミリースナップ

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2世代にわたる国際結婚のロマン

秋山家庭

今回は、栃木県にお住いの国際色豊かな夫秋山マテウスさん妻エレーナさん(仮名)のカップルです。小さな男児二人の4人家族ですが、夫マテウスさんのお父さんと妹さんも同席して、妹さんの作ってくれた焼きそばをいただきながらの賑やかなインタビューになりました。

ドラゴンボールの法則?

秋山さんは夫と妻双方とも父日本人・母ブラジル人の国際結婚カップルです。夫マテウスさんの兄妹は日本に居ながら、ブラジル人の母流で大らかに育てられ。妻エレーナさんはブラジルで、父から日本人流の厳格な子育てを受けてきました。

:夫マテウスさんは、ブラジル人の奥さんを希望していたのですか?

:自分のことをよく解っている親が選んでくれるので、どんな人でもいいと思ってましたが、国際結婚がより良いと思ってました。歴史的にネイティブアフリカンの女性が苦労していると思ったので、最初は黒人の女性を希望していました。
いろいろな人種がミックスした方が強い子(健康)になるし、ハンサムに成ると思っていて、分かるでしょサイヤ人と地球人の子が強くなるドラゴンボールみたいに! うちの血筋にはお母さん方にイタリアが入っているからヨーロッパは入っているけどアフリカが少ないだろうなと思っていたんです。

:へえ、そんなことまで考えてたんだ。知らなかったなあ。(笑)

:妻エレーナさんは、どんな風に祝福結婚にのぞみましたか?(エレーナさんは日本語が話せないので、通訳を介しています)

:父に相手選びをお願いしていたので心の準備はすでにできていました。父が勧める人だったので「はい」と答えて夫と出会っていきました。

1週間も彼女の写真を見られなかった!

:夫マテウスさんはエレーナさんをすぐに受け入れられたのですか?

:彼女の写真が来ても1週間は封筒の中を見られなかったんだよね!

:あまり素晴らしいと言えるような人生を過ごしていなかったので、外見的にいい人は来ないと思って、ちょっとドキドキして写真が見られなかった。(笑)

:でも、綺麗な人だったから、そのあとは、写真見て「かわいいなあ」って、ニヤニヤしてたよね。

:その後、彼女に日本に来てもらって二人に交流してもらい、お互いを確認しながら結婚に進んでいきました。結婚までの期間、息子は妹と一緒にブラジルほか海外でのボランティアに参加したんだよね。

:エレーナはすごく純真な子だった。いまでも純真なままだけど。それに比べて兄はちょっとけがれていて、身を清めるつもりでボランティアを頑張ったんだよね。

:ちょっとぉ、そんなこと言わないの!

:いやでもホントに、「エレーナにふさわしい人間になるように」って、兄は本当にがんばってましたよ。初対面は成田空港に迎えに行った時で、兄はスーツにバラの花束を持って出迎えたんですよ。私がその時のビデオ撮ってます。

:ほら、つかみが大事だからね。一点集中で、ひざまづいて僕の永遠のお姫様って言って迎えましたよ!

:かっこよかった。恥ずかしさが大きかったけど、映画の一場面みたいだった。

:まあ、そこを狙って行ったんだけどね。

日本の環境と子育て

:妻エレーナさんは初めて日本に来て、どんな印象でしたか?

:日本は全てがキレイだった。子供が生まれて感じるのは、小さな子供の医療の充実。環境はブラジルよりとても恵まれている。

:日本の生活で大変な事は?

:やっぱり、言葉の問題が一番じゃない? いつも言ってるよね。

:家の中で僕と妹と母もポルトガル語(ブラジルの公用語)で彼女に話すから、彼女は日本語に触れる機会がなくてなかなか上達しない。
言葉もそうだけど、子育てで苦労しているよね。

:子供達をどんな風に育ててあげるとよいのか本当に難しい。わたしの育て方で、この子たちの可能性を潰してしまったらどうしようと思って……(エレーナさんぽろぽろと涙を流す)

:彼女はほんとに真面目に子育てに取り組んでる。すごく悩むんですよねしつけに関して。自分が何かしてあげないと子供たちが成長できないのではないかと、思いつめている。責任を強く感じている。すこしそれが空回りしちゃうこともあるから、最近は「気にしないで」って言ってる。

:では、お子さんも家ではポルトガル語ですね。

:そうです。僕と妹も小さい時はポルトガル語オンリーで、幼稚園に行って友達と話して日本語を覚えました。その頃家でも両親が日本語に切り替えたので、僕らポルトガル語を忘れちゃったんですよ。
この子たちも幼稚園に通うようになれば日本語は自然に覚えるから、家ではポルトガル語にしてバイリンガルに育てようと思って。自分たちの時の失敗を繰り返さないようにと考えてます。

:お父さんと妹さん、息子さんは結婚してかわりましたか?

:うん。親から見て、生まれ変わったというくらい変わったねえ。普段こんな真面目な話はしないからだけど、しっかり考えてるなと思って今、聞いていました。

:親に見せなかっただけで、変わってないんだよ。

:良くなったと思います。すごく良くなったと思います。

:良くなったんじゃなくて、みせてなかっただけだって。

:優しくなった。

:優しくしてないよ。

:(笑)

秋山さんの両親は、国境を超えた結婚が世界の平和に貢献すると信じて、文化の違いによるむつかしさを克服してきた二人でした。その人生はしっかりと子供達にも引き継がれていました。
今はまだ小さい秋山国際家庭の3代目のお子さん達が、どんな風に育っていくのかとても楽しみです。

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