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NEWS日弁連「会長声明」に対する当法人の見解
プレスリリース
日本弁護士連合会(以下、日弁連)の小林元治会長は11月2日、「旧統一教会に対する解散命令の請求に関する実効的な被害の救済を求める会長声明」を発表し、当法人による「被害」の救済のために、「財産保全等を現実的に可能とする仕組みが必要」として、「当該団体の財産権や宗教活動を行う権利との関係が問題となり得る」としつつも、「保全のための管理や監督の方法については、特別の規定を設けることで、制限的でない手段を講ずるなど、様々な方策も考えられる」と提言しています。
これに関して、すでに当法人としては、10月24日付で声明文を発表しました。すなわち、①立憲民主党の「財産保全法案」や日本維新の会の関連法案は、宗教活動の自由及び財産権の侵害が著しく違憲違法である、②既存の民事保全法の枠内でいわゆる「被害」に対する損害賠償の保全が可能である、③現在裁判所で争っている解散命令請求が後日退けられたとしても、その前に違憲違法な財産保全がなされたならば、当法人及び所属信者らに対する損害の回復は著しく困難となる――というものです。
まず、小林会長は声明で、法テラス(日本司法支援センター)に寄せられた当法人に関する相談件数が全体(3796件)の約2割に相当する754件としたうえで、「被害の全体像はいまだ把握しきれていないというべきである」と説明。さらに、日弁連が受け付けた無料法律相談においても「旧統一教会による財産的被害額を申告する相談のうち、1000万円以上の被害額を訴えたものが約4割もあり、被害総額の規模は甚大であることも予測される」と言いながらも、そうした主張を裏付ける具体的な根拠を何ら示していません。
そこで、日弁連が発表している「被害」集計を見てみると、2023年3月「第2次集計報告」(2022年9月5日から2023年2月13日)によると、1416件の「霊感商法等の被害」に関する電話相談のうち、金銭的な相談(日弁連は「財産的被害」と断定しているが)は400件で、財産的な被害は約74億円と推計(相談額の平均とその相談件数を総計して計算)できます(同報告10頁)。ただし、電話相談は30分だけで、相談してきた当事者自体の確認はもとより、請求の根拠自体もほとんど確認されていないと言わざるを得ません。
それら相談者の内で、具体的な請求にまで至っているのが、「集団交渉」の通知人だと思われます。全国統一教会被害対策弁護団(以下、弁護団)と、法テラス及び日弁連は連携協定を結んでいることから、弁護団からの「集団交渉」による通知人124名、請求総額約40億円には、法テラスとそれと連携した日弁連への相談者らが多数含まれていると予想されます。なお、弁護団からの最後の5次通知は9月4日付で、通知人数は15名となっています。
「集団交渉」については、124名の通知人のうち、現在99名に対しての事実関係調査(実際の献金の事実を確認できたのは4割弱だった)を終えて、当法人の代理人弁護士が弁護団に通知人別の回答書を送付し、交渉を進めるために同弁護団からの回答を待っているところです。現時点までの調査において、法的根拠に基づかない請求(民事上の除斥期間を経過したもの)や、献金の事実自体疑わしい請求が相当程度混在していました。「民事保全法上の手続では、被保全債権及び保全の必要性について疎明を求められるほか、相応の保証金を求められることが通常である。長期にわたり被害を受けている被害者にとってこれらの要求は過大な負担となる」と小林会長は説明していますが、上記のような現状をみれば、この機に乗じて現行制度を超える過剰な保全を求める不当な要求であると言わざるを得ません。
一方、既に当法人の声明でも発表しましたが、昨年7月以来、当法人としては全国の各教会に寄せられた各種相談に真摯に対応し、約1年4カ月間で660件、43億円余りの返金等の相談対応を行っています。小林会長の「被害総額の規模は甚大であることも予想され」「現行法での対応には限界であることが明らかである」との発言は、殊更に被害を過大に言い立てて過剰な保全制度の新設を求めるものであることが見て取れます。これは,11月2日に国会内で開催された与党のプロジェクトチームの会合で全国統一教会被害対策弁護団が「潜在的被害が1200億円程度と推計される」などと根拠のない現実離れした荒唐無稽な金額を挙げて保全制度の整備を求めているのと足並みを揃えたものと言うほかありません(流石に1200億円という金額については言及をしていないが)。被保全債権の疏明は保全制度の大前提であり,無責任な被害額を主張するのではなく,具体的な事実と証拠をもってこれを疎明すべきです。
当法人においては、過去数年間の現役信者らが熱心に捧げられた献金により形成された預金があり,過去1年間に行われた返金請求総額を十分に支払うことができる資金的余裕がありますので、当法人自体の責任でこれらの返金等対策が可能であり、小林会長が言う「制限的でない手段を講ずるなど、様々な方策」は、一切必要ありません。
当法人としては、例えば、弁護団の請求額に相当する支払い資金等を確保するような任意の供託制度などがあれば、対応する考えを持っていることを表明するものです。なお、サム・ブラウンバック前米国際宗教自由大使ら信教の自由擁護に取り組む欧米の国際人権団体代表者14人は10月31日、当法人の財産を保全する新たな法整備に反対する緊急声明を発表しました。
同声明は法整備について、「被害者とされる人々を保護するというよりはむしろ、日本の家庭連合を即座に破綻に追い込むことを目的としているように思われる」と批判。このような法整備が行われれば、「メディアや一部の弁護士、政治団体に不人気な他の数多くの宗教運動に対しても同様の行動を起こす道を開くことになる」と警告しました。また、日本の政治家と裁判所に対し、法整備の拒否と解散請求の再検討を求める一方、日本の宗教界に対しては、「この新法ならびに刑事訴訟ではなく民事訴訟のみで敗訴した宗教団体の解散を許す前例を作ることは、彼らにとっても脅威となる」として断固反対するよう訴えています。
当法人は、一人でも多くの方々に、このような国際社会の意見にも耳を傾けていただきたいと思います。また、日弁連や弁護団による根拠に乏しい主張については、その真偽を慎重に見極め、併せて当法人が問題解決に全力で当たってきたことをご理解いただいたうえで、昨今の当法人の財産保全をめぐる議論の危うさを知っていただけたら幸いです。
以上
2023年11月5日
世界平和統一家庭連合