コラム

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幸せを決定する要素[最終回]

幸福度がアップする家族のコミュニケーション講座
阿部美樹

 私たちは、日々様々な努力をして生活していますが、何を目指しているのでしょうか? ひと言でいうと、「幸せ」になるためではないでしょうか。不幸を目指して努力している人はいないはずです。「幸福度がアップする家族のコミュニケーション講座」の最終回は、幸福を決定する要素について考えていきます。

 「幸せ」というと、健康第一の言葉があるように、「健康」がその一つになるでしょう。病気で毎日苦しんでいる人が、幸せと感じるのは大変なことです。
 また、日々仕事をするのは生活の糧であるお金を得るためです。健康とともに「お金」「財産」は幸せの要素のになります。
 そして、健康でお金があるといっても、人間関係が悪ければ気分よく過ごすことはできません。親子、夫婦、家族、友人関係などが、愛情豊かに実っていることは大切です。このように、幸福には「健康」「財産」「愛情」の三つの要素があります。
 しかし、人によっては、一生懸命努力しているのに、この三つがなかなか実らない人もいます。一方、あまり努力せず豊かになっている人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。
 
 幸福を決定する要素には、三つの側面があります。
 一つは「内的要因」です。心の持ち方、考え方、とらえ方のことです。「現実」は、「事実」+「見つめ方」で決定します。病気や苦難、逆境であっても、それを「不幸」と見る人もいれば、「試練・訓練」と見つめて、「もっと大きな幸せのための準備」だととらえる人もいます。
 現実とは、事実とイコールではなく、心の要素である「見つめ方」「とらえ方」で決定します。何よりも目先の現象だけにとらわれるのでなく、「感謝の心」をもって見つめる姿勢が大切です。
 
 二つ目は「外的要因」です。その人の行動や習慣、その人を取り巻く環境が、幸不幸を左右するということです。心で良いことを考えても、そのごとくに行動しなければ幸せは築けません。心で良いことを思っても、環境が良くなかったらそれも実りません。いくら良い種でも、砂利混じりの土地では、しっかり根を張ることはできません。
 
 しかし、内外ともにいくら努力しても実らない場合と、実る場合があります。これが最後の一つ「霊的要因」です。目に見えない霊界の作用、先祖の影響などです。まるで、道路についた轍(わだち)に沿って走ってしまう車のように、先人の轍(てつ)を踏んでしまうのです。
 簡単に表すと、作物を育てるにしても、まず心の要素として「一生懸命にまじめに取り組む姿勢」が必要であり、外的要素として「良い種を選び、良い場所を探し、適当な時期に植えること」が大切です。しかし、それだけで作物は成長しません。天からの恩恵である、太陽の光、適度な雨が必要です。それらが生命の糧となります。
 このように、内的要素と外的要素とともに、天からの恩恵がなければなりません。まさに神様の加護であり、天運が大切ということです。
 
 京セラ株式会社の名誉会長、稲盛和夫氏は、経営人生の中で多くの悟りを開かれた人です。その著書で次のように語られています。
「サムシング・グレートとか全知全能の神という概念を置き、それを『ある』としなければ、宇宙そのものの説明さえできないのです」
「創造主は最初の意思を与えてくれた。最初の意思とは『全てのものを幸せな方向に進化・発展させる』という意思です」(稲盛和夫著『稲盛和夫の哲学』PHP文庫,2003年より)
「創造主、神様の意思」や「宇宙の摂理・宇宙の意思にかなった生き方」が大切であると強調しています。他にも、宗教や哲学、各界の指導者は一様に、「天理、天道に基づく生き方が大切だ」と言います。
 
 では、天道、天理に基づく生き方とは何かを知り、実行するためにはどうしたらよいのでしょうか? ポイントは、「死後の世界・霊界の法則」です。霊界を知ることで、天運を招くポイントが分かってきます。心がけという内的条件も、行動や環境という外的条件も、最終的には天運という霊的条件があるか、ないかが重要な要件になるのです。
 霊界を知って人生を歩むのと、知らないで歩むのとでは大きな違いがあります。死後の世界や、死んだ後のことは考えても分からないと感じるかもしれませんが、死んだと思われた人が帰ってくる「臨死体験」や、「霊界からのメッセージ」が送られていることもあり、最近はそれが明確に分かるようになってきました。今は霊界をはっきり知って、その法則に合った生き方をすることが大切な時代といえます。
 
 内的要因である心の持ち方としての「気質(きしつ)」、外的要因である身体や行動などの「体質」は、当然、「親・先祖」が大きく影響します。そして、霊的要因である霊的背景も同じように「親・先祖」の影響です。先祖といっても、善い人もいれば悪い人もいます。その人たちと生きた私たちとは密接な関係があり、人間の幸不幸は先祖の幸不幸と密接に関わっています。この目に見えない人たちと、どのようにつきあい、どのように向き合っていくのかを知る必要があります。先祖は自分の血統、血筋をたどって働き、影響します。だからこそ、「血統の法則」を知ることが大切です。
 
 多くの人は、霊界のことを今まで考えもしなかったでしょう。しかし、霊界という世界を詳しく知ることは、今を生きる皆様の人生がより充実したものとなり、あの世でも豊かな生活をする道しるべになるはずです。家庭連合では、目に見えない「霊界の存在」、創造主である神様を敬う「敬天精神」、さらには「天理・天道に沿った生き方」などを知り、天運に満ちた「幸福な人生」を送るための学習会やセミナーを行っています。関心のある方は、ぜひ、最寄りの教会までお問い合わせください。
 
 これまで学んできた「幸福度がアップするコミュニケーション」は、目に見える人との関係だけではありません。先祖や神様とも良きコミュニケーションを結べることが、子々孫々にわたる永遠な幸福の基(もとい)となります。当講座の内容を皆様の生活に役立てていただきながら、幸せな家庭、幸せな人生を送られることをお祈りいたします。
 

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