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家庭連合信徒に対する拉致監禁・強制改宗問題について

プレスリリース

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世界平和統一家庭連合
広報局


 当法人の信徒に対し、強制的に身体の自由を奪い、改宗を迫る「拉致監禁・強制改宗」が1966年から現在に至るまで、4300件以上発生しています。拉致監禁を実行するのは信徒の家族や親族ですが、実際は例外なくそれを教唆し、ビジネスにする脱会屋や牧師、元信徒などが組織的に関わっています。そのような人権や信教の自由を侵す「拉致監禁・強制改宗」問題は、海外では懸念を表明するリポートなどが作成されていますが、国内では現在、ほとんど知られていないのが実態です。このため1人でも多くの方に知っていただくため、本リリースでお知らせいたします。

▽12年5カ月の監禁も
 1966年から現在に至るまで、当法人の信徒4300人以上が拉致監禁・強制改宗の被害に遭ってきました。拉致監禁事件の発生件数は1980年代に入って急増し、多い時には年間400人近くの信徒が被害に遭い、毎日誰かがどこかで拉致監禁されるという異常な状況でした。被害を受けた信徒が、拉致監禁の実行者たちを相手取って民事裁判を起こし始めた2000年前後からは徐々に被害件数が減少し、その後は毎年5~10件前後で推移しました。そして2015年、12年5カ月にわたって監禁下で脱会強要された後藤徹さんが2015年に民事裁判で勝訴したことが切っ掛けとなり、拉致監禁事件はほぼ終息しました。

後藤徹さんの陳述書 ― 拉致監禁・強制改宗被害者の会HP

▽国連・自由権規約人権委員会報告書が懸念表明
 当法人と被害者らは長年にわたって、重大な人権侵害である拉致監禁・強制改宗の問題を国内外で訴え続けてきました。しかし日本国内では、2000年と2010年に一部の議員が国会で取り上げた以外は、マスコミ等を含めてほぼ黙殺される状況が続きました。一方、海外においては、国際人権NGO「国境なき人権(HRWF)」が詳細な調査を行って報告書『日本:棄教を目的とした拉致と拘束』(2011年)を発表したほか、国連「自由権規約人権委員会」は報告書(2014年)で日本の「新宗教信者に対する拉致監禁強制的棄教活動」について、日本政府に対して懸念を表明しました。また、アメリカ国務省による「世界の信教の自由に関する報告書」の「日本」に関する項目では、1999年以降10数年間、ほぼ毎年拉致監禁・強制改宗問題が言及されています。国際社会と日本国内では、この問題に対する温度差が際立っています。

「国境なき人権」報告書 ― 拉致監禁・強制改宗被害者の会HP

アメリカ国務省「2012年版世界の信教の自由に関する報告書(日本編)」


アメリカ国務省「2022年版世界の信教の自由に関する報告書(日本編)」

▽自殺、深刻なPTSDに直面するケースも
 当法人の信徒に対する拉致監禁・強制改宗の実態は悲惨そのものです。一般的なケースでは、脱会屋や反対牧師に教唆された親族などが信徒を拉致し、マンションなどの一室に監禁します。そして、家族・親戚・脱会屋・反対牧師・元信徒などがよってたかって、孤立無援の信徒を脱会説得(時には侮辱的な言動や暴力を伴う)するのです。監禁期間は通常1か月から半年、長い場合は1年以上に及ぶこともあります。中には、マンション6階のベランダから脱出を図って転落して瀕死の重傷を負ったり、脱会屋によってレイプされたり、監禁場所で自殺に追い込まれた例もあります。監禁は、信徒が脱会の意思を示すまで解かれることはなく、確実に棄教したかどうかを調べる「踏み絵」として、退会届を書かせたり、当法人に対して献金の返還を求める訴訟を起こさせたケースも多数あります。

 被害者が拉致・監禁されている間に感じる恐怖・苦痛・怒り・喪失感からくる精神的なストレスは深刻で、多くの被害者が解放後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病に悩まされてきました。また、拉致監禁の被害者である信徒と拉致監禁を実行した家族との間には決定的な亀裂が生じる場合が多く、被害者が棄教したか否かに関わらず、親子関係・兄弟姉妹関係が破綻する結果に終わることも珍しくありません。これら拉致監禁後の二次的な問題は、拉致監禁事件がほぼ終息した現在にも尾を引いている重大な問題です。また、当法人の信徒に対する拉致監禁・強制改宗は、たとえ家族や親族が行ったとしても逮捕・監禁罪(刑法220条)にあたる犯罪です。

 当法人は、これからも拉致監禁・強制改宗問題に取り組み続け、拉致監禁の不安がない社会にしていくこと、後遺症に苦しむ方々に救済の手を差し伸べること、そして拉致監禁に加担した人々の法的・道義的責任を徹底的に追及していく所存です。そして一刻も早く日本においてこの問題の実態が広く認知され、憲法が保障する「信教の自由」がすべての国民に等しく与えられる社会が実現することを願ってやみません。

【拉致監禁の問題を取り上げた書籍】
拉致監禁―家庭連合に反対する人々(世界平和統一家庭連合編、光言社、2022)

踏みにじられた信教の自由(太田朝久著、光言社、2008)

我らの不快な隣人 統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇(米本和広著、Kindle版)

日本宗教の闇(室生忠著、アートヴィレッジ、2017)

以上