コラム

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答えを導き出すための質問の種類

幸福度がアップする家族のコミュニケーション講座
阿部美樹

 前回、相手の心を開く質問のしかたについてお話をしました。今回は、質問の種類についてご紹介します。

 質問にはまず、「閉じた質問と開いた質問」というものがあります。
 「閉じた質問」とは、問いかけられた人が、それほど考えなくてもすぐに答えられるような質問です。正解が一つしかなく、「はい」や「いいえ」で答えられるようなものです。

 
 一方、「開いた質問」とは、問いかけられた人が、すぐには答えられないような質問で、正解が複数あるような質問、答えを相手に自由に考えさせる質問です。このような両方の質問を、場の状況に合わせて使うことが有効です。
 例えば、次のような会話があります。
 「最近、どうですか?」と開いた質問をしたとしましょう。すると、「普通ですよ」と相手が答えました。さらに、「体調はどうですか?」ともう一度開いた質問をしました。すると、「まあまあですね」と答えました。この対話を見ると、あまり快く心を開いていないようです。
 このような場合は、閉じた質問が有効な場合があります。例えば、「胃の調子はもう大丈夫ですか?」と閉じた質問をすると、「はい」または「いいえ」と答えるでしょう。このように、二つの質問をそれぞれの特徴を利用して、うまく使い分ける必要があります。
 しかし、相手の持つ能力や可能性を伸ばすためには、「開いた質問」を心がけることが大切です。「開いた質問」は、潜在意識のより深いところまで意識を向けることができるので、より深く考え、より深く悟るきっかけになります。

 
 次に、「否定質問」と「肯定質問」というものがあります。
 「否定質問」とは、問いの中に「ない」という否定形の言葉を含んでいる質問であり、「肯定質問」とは、問いの中に「ない」という否定形の言葉を含まない質問です。より有効に解決を見いだすためには、「肯定質問」が大切にです。
 例えば、「どうして、うまくいかないのか?」という否定質問より、「何が、はっきりしているのか?」と質問したら、肯定的な可能性を引き出すことになります。

 
 さらに、「過去質問」と「未来質問」というものがあります。
 字のごとく「過去質問」は問いの中に「過去形」の言葉を含む質問であり、「未来質問」は問いの中に「未来形」の言葉を含む質問です。この場合も、より「未来質問」が有効です。可能性とは「将来的にそうなる、そうできる実現性」のことであり、「未来形」の中に存在するからです。
 日ごろ、「閉じた質問」「否定質問」「過去質問」になりやすいものですが、より、「開いた質問」「肯定質問」「未来質問」を活用することがポイントです。
 これからやるべきことを、相手から指示・命令・提案されてするのと、自分で気づき自覚して取り組もうとするのとでは、結果も大きく違ってきます。自分で答えを見つけると「自分自身の答え」という当事者意識が強くなり、責任を持って解決に当たるようになります。

 
 リーダーなど、相手から与えられた答えは、どれほど正しくとも他人からの助言なので、当事者意識が薄れがちです。一方、「自分の答え」という意識があれば、行動の結果、成功すれば自信につながり、たとえ失敗しても次への反省材料として生かすことができます。さらに、「自分で答えを導き出す」という経験を積むことで、確実に成長するようになり、自分の可能性を信じるようになることでしょう。
 相手の言葉に、すぐ結論や意見を出さず、まず3回以上聴いてみましょう。きっとあなたも質問上手になれるはずです。

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