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相手を喜ばせる「感動の方程式」

幸福度がアップする家族のコミュニケーション講座
阿部美樹

 皆さん、最近感動したのはいつですか? よく感動するタイプの人もいれば、自分はあまり感動しないタイプの人もいます。山登りをして山頂から見下ろした時、心から感激する人がいれば感動の薄い人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか?

 心(情)を閉ざしていると、美しい景色を見てもセピア色に見えたり、人の愛に触れても心が動かず、感動を覚えにくいものです。心にフタをすることは、喜怒哀楽の感情にフタをすることなので、「悲しいこと」や「苦しいこと」など、自分に不都合なものだけでなく、「嬉しいこと」や「楽しいこと」にまで自然にフタをしてしまい、鈍感になってしまいます。正座を長くすると足がしびれて鈍感になるのと同じ感覚です。
 反面、心(情)が開かれている人は、感情が表情にすぐ出てきますし、感動もしやすいものです。人生は、自分の心を開いた分だけ「新鮮さ」「喜び」「感動」を感じ取れます。勇気を持って心を開くことが大切です。感動できる感覚を多く持っていることは、幸せになるポイントです。
 心を開いて表現することで、人は人とつながることができます。喜びは心の共感から訪れます。共感し、共感されることで愛を知るようになります。自分を最大限に表現することで、人は誰でも最高傑作の人生を全うすることができます。心を閉ざして表裏をつくってしまうと、人間関係もうまくいきません。すべての人が偽りに見え、どんな素晴らしい愛も偽りに見えてしまいます。
 ところで、「感動すること」を求める人は多くいますが、「感動させること」を一生懸命考え、努力し、実践する人は少ないのではないでしょうか? たくさんの人を感動させているテーマパークに「ディズニーランド」がありますが、偶然にできあがったわけではありません。創業者のウォルト・ディズニーの言葉を紹介します。
「ほら、見てごらんよ。こんなにたくさんの嬉しそうな顔を見たことがあるかい。こんなに楽しんでいるところを……私は一人でも多くの人に笑顔でパークの門から出て行ってほしいんだ」
このような「感動させたい」という思いからつくられているのです。
 人生は偶然、感動的なできごとと遭遇することもありますが、人が感動するように設計もできるということです。人を感動させることができる能力は、愛する能力です。「喜ばせたい!」「楽しませたい!」「感動させたい!」という動機で工夫するならば、周りの人を幸せにすることができます。愛の深い人は、人を感動させることができる人でしょう。
 では、感動とは、どのような状況で体験するものでしょうか。感動の方程式があるとすれば、次のようにまとめることができます。
 

<感動の方程式>
「思い・期待」=「現実・結果」→満足
「思い・期待」>「現実・結果」→不満
「思い・期待」>>「現実・結果」→怒り
「思い・期待」<「現実・結果」→感動
「思い・期待」<<「現実・結果」→感激
 

 思っていること、期待していることと現実が一致したら、「満足」するでしょう。思っていること、期待していることと比較して、現実が劣っていたら、「不満」となります。現実が著しく劣っていたら、「怒り」を感じるでしょう。
 また、思いや期待以上の現実・結果が表われれば、「感動」します。現実・結果が、非常に良かったり、嬉しかったりすれば、「感激」することでしょう。これが、私たちの心の感じ方です。
 人間は、誰かに喜んでもらったときが一番嬉しいと感じるものです。感動することも嬉しいものですが、人を感動させることは、もっと充実感が残るものです。相手の期待を超えるような結果や現実をつくり出す「感動プロデューサー」になれたら、人生は充実していきます。まさに、「自分が感動をもらう側ではなく、つくる側に回る」という「発想」の転換が、本質的な幸せをつくり出すポイントです。
 なかには、「私には表現力がない」「感性がない」という人もいるでしょう。しかし、表現力や感性のあるなしではなく、使っているかいないか、磨いているかいないかではないでしょうか。「感動させたい!」という思いさえあれば、表現力はどんどん出てくるものです。言葉で表現する、態度で表現する、文章で表現する……相手を感動させる言葉や態度、文章などを研究してみましょう。

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