コラム

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一時停止ボタンを押しましょう!

家庭力アップ講座
多田聡夫(家庭問題研究家)

親は子供のことを真剣に考えるあまり感情的になりやすいものです。その時の勢いに流されて心にもないことを言ってしまい、「あんなこと言うんじゃなかった。あの時ちょっと止まって考えていれば、あんなことにならなかったのに…」と、後で後悔してしまいます。子供の気持ちを共感しようと一生懸命に努力してきたことが、いっぺんに吹き飛んでしまうのです。

私たちが目指しているものに家庭文化があります。家庭文化の核心である真の愛は、永遠に共に暮したいと願う心です。ですから家庭文化においては、いくら会ってもまた会いたいと思うのです。朝、夫を会社に送り出したのに、昼になればもう声が聞きたくなるのです。また、持っているものを何でも与えたくなるのも家庭文化です。与えたいのに与えることができない時には、切なくなるのです。

以前、私も娘とひと月に一度デートをしていました。いろんな理由をつけて毎回マクドナルドでデートするのです。楽しく話をしながら、神様のとの出会いのことなど、私は娘に伝えたい大切なことを話しました。

 

マクドナルドにいる時にふと娘を見ながら、「この子が家庭を持ったら家族のためにどんな料理を作ってあげられるのだろう。もしかしたら、マック味かもしれない」(もちろんマックも美味しいのですが)。そう思うと、この子にフランス料理や中華料理などを食べさせてあげたい、そして、その料理の味を教えてあげたい」という思いが湧いてきました。でもそうできない事情がいろいろとありますから、それを思うと何とも言えない切なさが湧いてきました。

 

また、私たちの目指す家庭文化は、何でも分かち合いたいと願うものです。喜びや悲しみを含めた様々なことを、家族で一緒に分かち合いたいと願うのです。そのようにして家族としての一体感を感じたいと願うものなのです。

 

親という存在は、ともすると感情的になりやすい存在です。皆さんも何度も経験したことがあるでしょう。その時の勢いに流されて心にもないことを言ってしまい、「あんなこと言うんじゃなかった。あの時ちょっと止まって考えていれば、あんなことにならなかったのに…」と、後で後悔するのです。些細なことで言い返したり、反発したりして、とんでもない関係へと進んでいってしまうことがあります。それまで一生懸命子供の気持ちを共感しようと努力してきたとしても、いっぺんで吹き飛んでしまいます。そういったことが何度も続くと、家庭文化を創ることに対しても、自分自身に対しても自信がなくなってしまいます。

 

 

そんなときに、“一時停止ボタン”を押すことで、起こった出来事とそれに対する感情の間で一旦立ち止まり、自分の反応を選択できるようになるのです。子供の様子を見てみようと少し待ってみたり、子供の気持ちを聞いてみたり注意してみたりと、私たちの反応を選択することができるようになるのです。

 

ここで大切なのは、子供の態度に感情的になっていて、この感情のままに行動しては良くないのではないかとの「自覚」が自分でできていることです。

「自覚」の本質は、自分自身のことを知り、自分の存在を他人や周りの環境から離れたものとして認識し、客観的に自分の傾向や考え方、思いや望みを把握することです。このような「自覚」する姿勢がなければ、子供の心を真に理解したり、信頼し愛したりすることも難しく、親自体が変わることも難しいのです。この「自覚」ができるようになるためにも、こういった講座を学び、実践していくことが大切なのです。自分で自分の感情や状態を「自覚」できるようになることで、感情に流されることなく、一時停止ボタンを押せるようになっていくのです。

 

一時停止ボタンの効果は、家族関係の中で感情的になってしまったときに、このボタンを押すことにより、感情的行為が抑えられることです。感情的なままに夫婦喧嘩をして子供たちにいやな思いをさせてしまうところを、一時停止ボタンを押すことで感情を一旦抑え、冷静に物事を見つめて対処するのです。自分の習慣的な流れを変える人になるのです。

また、感情的に夫婦喧嘩をすることで子供に伝わる悪習や良くない傾向も断ち切ることができます。

 

では、どうしたらとっさに“一時停止ボタン”を押せるようになるのでしょうか? それには毎日の訓練しかありません。一日に最低10回「一時停止ボタンを押すぞ」と心に誓い、日々の生活の中で訓練するのです。

意識して一時停止ボタンを押せるようになれば、自分が置かれている状況から一歩引いて自分自身を見つめることができるようになります。そして、自分自身の感情と行動を自分で意識してコントロールすることができるようになるのです。そのような小さな積み重ねを続けていくことで、だんだんと家庭文化を形成していくことができるようになっていくのです。

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