コラム
colum子どもの自立期
親は生涯、子どもの人生の「応援団長」でありたいと願います。一緒に喜んであげたいし、一緒に悲しみを分かちあってあげたいと願うものです。しかし、大きくなるに従って、だんだんと子どもの心が理解できなくなってしまうのはなぜでしょうか?
教育においては、子どもが育つ環境を作ることが大切です。父母が直接教えてくれるのではなく、学校で学ぶのでもありません。子どものために献身的に真の愛の一生を生きていこうとする父母の姿を見て体得し、悟るのが子女の心情です。ですから、親がこのような環境を作る時、子どもが育っていくということになります。
子どもの成長過程には、反抗期というものがあります。「うちは反抗期の真っ只中です。反抗して大変なんです!」と思春期を迎えた親からよく聞きます。また反対に、「反抗期はありませんでした」というケースもありますが、子どもは反抗したくて反抗しているわけではありません。むしろ、親が反抗期を作りだしている場合もあるのです。
統一原理によれば、人間は自由意志と自由行動によって責任分担を果たすようになっています。小学生、中学生、高校生と、成長とともに自由意志と自由行動の世界が拡大していきます。
幼児のころは全面的に親に頼っていた子どもも、成長するに従い、自立心が芽生えてきます。自分でやってみたい、自分で考えてみたいという心が芽生えているのに、親が小さい頃と同じように扱うと、子どもの自立心を妨げることになってしまいます。その結果、それをはねのけようとして親に反発することを、反抗期というのです。ですから、反抗期と言うよりは、「自立期」と呼ぶ方がいいのではないかと思います。
この時期は、子どもから大人へと心が成長していく大切な時です。心が不安定になり、敏感になっていく時期でもあります。自分でも自分の心をコントロールできなくなっています。ですからついカッとしたり、反発して親の心を傷つけるような言葉を使ってしまうのです。
私たちは生涯、子どもの人生の「応援団長」でありたいものです。いいことがあれば一緒に喜んであげたいし、悲しいことがあれば一緒に悲しみを分かちあってあげたいと願います。しかし子どもが大きくなるに従って、だんだんと子どもの心が理解できなくなってきます。そして、子どもの行動を次第に受け入れられなくなってしまうでしょう。子どもの気持ちに共感できなくなっている自分を発見することが多くなります。その結果、イライラして子どもの行動だけを変えたいと思ってしまいます。
しかし、親が子どもの行動を変えようとするのでなく、子どもの気持ちを分かってあげたい、心を共感してあげたいと願うことです。親がそうした心の姿勢をもってこそ、子どもが正しく心豊かに自立期を越えていくことができるようになるのです。