コラム
colum事実の二つの受け止め方
今、幸せなのか?不幸なのか?は、今、福に満ちているかどうかという事実だけでなく、それをどのようにとらえるかという心の姿勢で決まります。事実は誰が見ても変わりませんが、その事実をどう受け止めるかは、大きくわけて二つになります。肯定的に受け止めるか、否定的に受け止めるか、です。
例えば、何かの病気になったとします。その状態は誰が見ても変わらない事実ですが、病気になって不幸だと考える場合と、「病気のおかげで」と少しでも良かったことを見つめようと考える場合です。どんな状況であっても、プラス面に注目し、楽観的に見つめることが大切です。
楽観とは、「楽しく見つめる」ということです。ピンチに正面から向き合えば、飛び越えるべきハードルになり、自分を成長させてくれる糧になります。「これは生き方を変えるチャンスだ」「自分を成長させる試練だ」と考えるのです。
慢性リウマチなどの難病を治療することで有名になった医師の篠原佳年さんは、『快癒力』という著書で、病気を次のように説明しています。
「病気というのは、その人の体の内部から発信された、人生に対するメッセージです。『あなたの生き方は、病気になるほどバランスが取れていないのですよ』『だから、病気を楽しめとまでは言いませんが、せっかく、病気という形でメッセージを送ってもらっているのだから、じっくり、それを受け止めてみたらどうですか』、病気があなたに、過去の記憶の中にある『わだかまり』をはっきり見せ、『だから、あなたは病気になったのですよ』と教えてくれているのに、そのわだかまりから逃げてばかりいれば、いつまでたっても病気は治りません」
病気一つ取って見ても、ただ単に不幸だと悲しむものではなく、前向きに人生の良き転機ととらえることが大切なのです。「つらい」「悲しい」という感情は、現実に対して葛藤したり、受け入れ難いと思うところから生じます。しかしそれは、「起きている現象をすべて受け入れれば、つらい、悲しいと思わなくなる」と言うこともできます。
家族関係も同じです。自分以外の人を自分の思い通りにするより、まるごと受け入れてしまえば人生は楽になる、ということです。関係が悪くなると、相手に変わってほしい、どうしたら自分の思い通りになるかについて悩みますが、それより、「自分がどう生きるか」に集中したほうが楽であり、結果的にはよい関係をつくれます。
言葉が現実化するという話があります。今まで癖になっていた言葉遣いを意図的に変えることで、癖になっていた思考パターン、行動パターンから脱することができます。「○○してほしい、○○を変えてほしい」というイメージや言葉は、欲しいと思いながら手に入らない「欲しがっている状態の自分」を現実化してしまい、「手に入った」という状態を実現してくれません。そのためには、ないもの、足りないものを探す「引き算発想」ではなく、あるものや恵まれたものを探す「足し算発想」が大切です。「これだけしかない」という発想から「こんなにある」という発想に変えていくならば、気分だけではなく、実際に幸せになれるのです。
ないこと、できないこと、恵まれないことに注目するのではなく、足し算発想で「あること、できること、恵まれたこと」を探してみましょう。肯定的、楽観的言葉を繰り返し使い、幸せを作り出していきましょう!