コラム

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夢を描く力が未来の自分をつくる

幸福度がアップする家族のコミュニケーション講座
阿部美樹

自分の人生に対して「こうだったらよかったのに……」という願望は誰しもあると思います。それでは、誰が私の人生を決定しているのでしょうか?

 人生を「車の運転」に例えると、運転手は当然、本人自身です。周りの人々や環境の影響はあるとしても、最終的な判断、選択は自分自身がなしています。「私は人生の責任者であり、主人公である」という自覚が大切です。
 同時に、「人生の目的地」を明確にして歩んでいるかもポイントです。目的地が分からず、車を走らせても無駄な時間を過ごすだけです。「人生の目的地」に向かって、第1通過点、第2通過点と段階的であったとしても、「人生のゴール」を明確にしなければなりません。それは、言葉を換えれば「自分の人生の夢を描く」ことです。
 しかし、悩みの多い人は現実に振り回されて、実際のところ夢を描く余裕がありません。現実という足元ばかり見ているので、未来を意識するよりも「あの時、もっとこうしていたら……」「あんなことをしなかったら……」と、過去を悲観的に悔いている場合が多いものです。このような考え方では、生き方も消極的、後退的なものになってしまいます。もっと前向きに生きなければなりません。「前向き」とは人生を肯定的にとらえ、未来を見つめて生きることです。
 人間は元来、旺盛な好奇心や冒険心、豊かなチャレンジ精神を持っています。幼い子供は「だめだ」とか「できない」と考えるのではなく、積極的にさまざまなことを学び、砂地に水がしみ込むように次々吸収していきます。このような状態に導くのは「夢を描く」という姿勢です。
 「目標を達成する!」というよりも、「夢を実現する!」といったほうが何か心がワクワクします。「夢」ならば、「やらなければいけない」ではなく、「やりたい」という気持ちが強くなるものです。過去の経験から生まれてくるマイナス思考も、夢を描きながら「おもしろい!」「好きだ!」「できる!」という思いを持つことで打ち消され、人の能力まで変えていきます。できるかできないかを作用する要因は、能力のあるなしよりも、「できない」という意識の壁、心理的な壁にあります。これを取り除くことが大切です。
 夫婦や親子関係でも、「いついつまでにこうなりたい」という肯定的な夢を積極的に持つことが幸せの鍵です。「悩みを解決する」というよりも、「願い・夢をかなえる」という心の姿勢がポイントです。例えば、「夫婦仲が悪い」という悩みを解決したいというよりも、「仲の良い夫婦」になりたいという姿勢の方が、前向きで明るい人生になります。
 幸せが多い人の意識のポイントは「幸せ」です。「いかにしたら幸せになれるか」と考えながら、明るい未来、幸せな夢を描いています。まずは、未来に視点を向けることが重要です。
 将来なりたい自分を夢描いて、その姿から現在を見るならば、今の自分に何が欠けているのか・何が必要なのか、が明確になります。将来の自分から、今の自分を引き算すれば、「今やるべきこと」が分かります。「未来から現在を見る」視点が大切なのです。