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幸福度をアップさせる「自尊感情」

幸福度がアップする家族のコミュニケーション講座
阿部美樹

「自分のことが嫌い、自分が嫌だ」という人は、人間関係がうまくいかず、人生に悩みを抱えている場合が多いものです。自己評価は人生全般にわたって大きな影響を与えます。今回は、自尊感情・自信を持つことの大切さを紹介します。

 自分への信頼感がなく、劣っていると感じている人は、他人とのコミュニケーションにも支障が出てきます。自分を立派に見せようとし、優越感を求めすぎるあまり、豊かなコミュニケーションを持つ余裕がなくなってしまうのです。比較で自分の価値が決定されるのではありません。しかし、多くの人は他人の目を気にするあまり、「他人」の目を基準にして自分を判断してしまいます。
 自分に対する尊敬の念、自分を価値視する心があれば、おのずと自分を重んじる姿勢となります。しかし、「価値がある」などというと、何か特別な能力や魅力があると考えがちです。逆に、自分は何も取りえがないから価値がないと嘆く人もいます。「価値」は、他と比較して決定するものでしょうか。
 例えば、ここに3人兄弟がいたとします。長男は勉強ができ、次男はスポーツ万能、3男は芸術的センスがあるとしましょう。どの人が一番価値があるといえるでしょうか? 親から見れば、どの子供もかけがえない価値を持った存在です。親には、3人とも一番だと思う気持ちがあります。
 まさに、各自の個性は絶対的なものであり、他とは比較できないものです。ですから、何かできるから価値があるのではなく、存在するすべての人に価値があるといえます。「何もできなくても、何をしたとしても、私はそこに存在していてよい」というあるがままの自分を受け入れる感情、これが「自尊感情」なのです。
 自尊感情は、自分に対する評価に大きな影響を与えます。自尊感情が豊かな人は自己評価が高くなり、乏しい人は自己評価が低くなります。自己評価が低い人は、何をやっても不安であり、恐れがあり、緊張しています。ですから、自分の居場所が見つけにくく、孤独感を感じやすくなります。
 自尊感情は、他者に対する感情にも影響を与えます。自尊感情が強い人は、自分を受け入れることができるだけではなく、他者もあるがままに受け入れることができます。自分と違う考えがあっても受け入れるのです。しかし、自尊感情が弱い人は、他者をあるがままに受け入れることができません。自分自身を受け入れられないのですから、他者を受け入れる余裕などありません。そして、自尊感情の欠如は、人間を尊重する姿勢を失わせ、軽視する傾向をもたらします。ときに「自殺」や「殺人」の原因にもなるのです。
 まずは自分自身の良いところも悪いところも、ありのままに受け入れることが大切です。そこから自分の成長や良き変化がなされます。長所を伸ばしていこうとする意欲が高まり、短所を改善しようとする謙虚さや素直さが備わっていくでしょう。「等身大」の自分を受け入れ、人と比較をせず、自分自身の個性を磨いていきましょう。

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