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NEWS全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団に対しての回答書(第二次)を送付しました
プレスリリース
令和5年4月12日
全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団
事務局次長 弁護士 阿部克臣殿
東京都渋谷区松濤一丁目1番2号
世界平和統一家庭連合
代表役員 田中富廣
上記代理人 弁護士 福本修也
同 弁護士 堀川 敦
同 弁護士 鐘築 優
回答書(第二次)
前略 当職らは、世界平和統一家庭連合(以下「当法人」という。)を代理して、貴職らの本年4月5日付け通知書(以下「通知書」という。)に対し、以下の通り回答します。
記
1 通知書における損害賠償合計3億1493万3574円の請求及び交渉申入れは、当法人が貴職らの主張する事実関係を全面的に受け入れ、かつ賠償責任を全面的に認めて全額の支払いを求めるものです。
しかし、現時点において、各通知人の請求を根拠づける具体的な事実関係が不明であり、したがって、その法律上の主張(不法行為を理由とする損害賠償請求)の当否も不明であるため、貴職らの要求する賠償金の一括支払いには到底応じることはできず、また、個々の事案の事実関係を無視した交渉など成り立つはずがなく、貴職らが求める集団交渉にも応じられません。
事実、通知書を一見しても、請求の中には既に時効となっているものや、除斥期間を遥かに超えているものがあり(通知人19人中3人)、また、貴職ら主張の「被害者」が既に亡くなっているケースや、当法人の信者にさえなっていない者も含まれるなど、個々の通知人の事実関係について、当方にて詳細に調査する必要があります。
よって、今後、個々の通知人の内容について各担当信徒会において鋭意調査の上、個別に対応を検討してもらいます。
2 今後の交渉については、以下のように行うことを希望します。
従来も、貴職らから当法人に対し損害賠償請求の通知書が送付された場合、まず、各地の信徒会の関係者や信徒の相談役だった者などが事実関係を詳細に調査した上で交渉を行ってきました。本件請求に関しても、従来と同様、まずは、各地の信徒会関係者が事実関係を調査の上、個別に対応いたします。
つきましては、貴職らにおいて、全国47都道府県を網羅する貴弁護団所属の345人の弁護士の中から、速やかに各通知人の担当弁護士を指定し、弁護士名・連絡先等を一覧表にしてお知らせください。調査が完了次第、各地の信徒会関係者より担当弁護士宛に直接連絡いたします。
なお、当法人は、公式ホームページの「教会改革推進情報」特設ページにおいて、「残念ながら、信仰を持っていたときには喜んで主体的に献金を捧げながらも、信仰が薄れることによって献金を返してほしいとの要請を受けることもありますが、こうした要請には個別に適切に対応を重ねております」(https://ffwpu.jp/reformation/index.html)と表明しています。実際のところ、昨年から今年にかけても、各地の信徒会関係者らと貴弁護団所属の弁護士との間で個別に交渉し早期に解決した案件が多数あり、現時点においても個別交渉中の案件が複数あることは、貴職らも熟知しているはずです。
3 今後の当方の回答時期については、以下のとおり、お伝えします。
貴職らは、当法人が各通知人の献金や物品購入の名目や時期、額を記録した資料を持っていると主張していますが、各通知人の請求に関する事実関係については、あくまでも各現場の信徒会にて個別に聞き取り等の調査をする必要があるため、相当な時間を要し、貴職らの要求する本年4月27日までの回答は不可能と言わざるを得ません。
これまでも、このような通知書が送付された場合、各案件について1ヶ月ないし2ヶ月程度の調査期間を要したのが通常であり、貴職らもそれを了解していたはずです。さらに、本件通知人らは19人と極めて多数に上るため、事実関係の調査にそれなりの時間を要する点は、ご理解ください。
なお、当法人が、当法人の信者でなかった者まで含む各通知人の献金額等について全てを把握している事実がないことは、貴職らが過去の事例からもよく認識しているはずです。
つきましては、現時点において回答時期を明示することはできないものの、各通知人に関する調査が完了しましたら、貴弁護団の担当弁護士に、その都度、随時適切に回答いたしますので、ご了承ください。
なお、本件紛争の早期解決のために、貴職らにおいても、通知人らの請求を裏付ける具体的な証拠等を積極的に開示するよう求めます。
4 貴職らは、「当弁護団は、早期の被害回復に向けて、信徒会ではなく『被通知人』と面談することを、本書面をもって申し入れます」と述べていますが、各通知人の「損害」に関する調査及び情報開示を当法人に求めている点からしても、貴弁護団は、各通知人の「被害」ないし「損害」に関する具体的な情報を把握していないことが推察されます。貴弁護団がどのような根拠や証拠に基づいて本件の損害賠償請求を行っているのか大いに疑問ですが、それはともかく、そのような貴弁護団と当法人が面談したところで、せいぜい世間向けのパフォーマンスになる程度で、本件紛争の早期解決に向けた実質的な進展にはつながりません。
当法人が3月29日付け「回答書(2)」で述べたとおり、詳細な調査を経て、通知人らの請求内容の真偽や当否を把握したうえで、これまでと同様、各地の信徒会関係者と各通知人の代理人弁護士との間で個別に交渉して紛争解決を目指すことが、最も合理的かつ迅速な現実的方法であり、何よりも通知人らの利益に資するものと考えます。何故なら、当法人が貴弁護団という一つのチャンネルで集団交渉するより、各地の信徒会関係者らが通知人19人のそれぞれの代理人との間で同時並行的に交渉を進める方が、より効率的であり、事案の早期解決にもつながることは自明だからです。
上記のとおり、現在、各地の信徒会において貴職らが主張する通知人らの「被害」の実態を調査しています。一通りの調査が終了した案件から、随時、速やかに交渉をスタートさせるためには、各通知人を担当する弁護士が不可欠です。
つきましては、改めて、貴職らに対し、全国47都道府県を網羅する貴弁護団所属の345人の弁護士の中から、各通知人の担当弁護士を早急に指定して明示することを求めます。再度繰り返しますが、それこそが、本件の早期解決を図るうえで最も合理的かつ現実的な方法です。
貴職らが非現実的な集団交渉に固執することは、本件の早期解決を妨げる行為に他なりません。貴職らの依頼者である通知人らの利益を最優先に考えるならば、個別に交渉することが最善の方法です。
以上の理由により、貴職らの慰謝料を含む損害賠償全額の支払請求、及びそれを前提とする交渉や面談には応じられません。
草々