死と永生
Death and eternal life家庭連合の死生観
「死」とは何なのでしょうか?
家庭連合では、「死」とは霊界での人生の始まりだと考えています。
人は母の胎中で約10ヶ月間生活した後、地上に誕生して地上での人生が始まります。
それと同じように、人は80年余りの生涯を地上で送った後に霊界で永遠の人生をスタートさせるのです。
このように家庭連合では、人の生涯には胎中生活、地上生活、霊界生活という三段階の人生があると考えています。
母の胎中にいる子どもは、その間に胎中での生活には必要のない呼吸器官や循環器官などの肉体的成長をしていきます。そして、地上に誕生すると同時に胎中生活における生命線であるへその緒は必要なくなるのです。それはまさに胎中での生活が地上に誕生する時のための準備期間であることを表しています。
同じように、地上での生活は永遠の世界である霊界へ行くための準備期間であるのです。統一原理では人生の目的を“三大祝福を通じた愛の完成”と教えていますが、これは地上で長生きをするために必要なことではなく、死後、霊界に行った後に神様の愛を空気のように呼吸して、永遠なる愛の関係を結ぶために必要になるのです。
このように「死」はすべてが無に帰る終わりの時ではなく、肉身を脱ぎ捨て、新しい世界へと出発する旅立ちの時なのです。そのような意味から、家庭連合では「死」を「聖和(ソンファ)」と表現し、尊重視しているのです。
死後の世界
死後の世界(霊界)には天国や地獄をはじめとして、さまざまな階層があります。ただし、これらは神の創造の初めから霊界に存在するのではなく、人間によって作られたものです。
例えば愛にあふれ、他のために生きることを喜びとする人が集まれば、自然とそこは天国のようになります。逆に自己中心的で、人を憎み、苦しめ傷つけるような人が集まれば、自然とそこは地獄のようになるのです。「類は友を呼ぶ」ということわざがあるように、人生においても人は似た者同士で集まったりしますが、霊界ではそれがより顕著にあらわれます。
霊界の中心は愛の主体であられる神様です。ですから神様の真の愛を相続し、愛あふれる人格を養った人は自然と神様の近くに集まって生活し天国を作りますが、自己中心的に生きてきた人は神様の愛の前では逆に恥ずかしく苦痛に感じて、その場を自ら離れるようになります。そして、もっと自分の愛のレベルにふさわしい場所を求めて集まり地獄を作るのです。
このように死後、霊界のどの階層に行くかは閻魔大王のような存在が決めるのではなく、自分の愛のレベルにふさわしい場所を自ら選んでそこに留まるようになるというのが私たち家庭連合の考える霊界観です。