世界平和統一家庭連合は2022年9月に発足した、タスクフォース「教会改革推進本部」を中心に改革を続けてきました。社会に貢献し信徒の幸福に寄与する宗教法人として、以下の3つのアクションプランをもとにこれからも改革を進めてまいります。
当法人は今年2月より「献金を受領する際のガイドライン」を制定し、10万円以上の献金を受領する場合はその都度「献金確認書」により、所定の内容を確認してから受領するという制度を導入しました。 この確認書では、①この献金によりご本人および家族の生活に支障をきたす心配はないかどうか ②この献金のために新たな借入をしていないかどうか ③遺産相続や資産売却等によって得られた資産からの献金の場合、家族の同意を得ているかどうか――の3点を確認し、ご本人のサインをいただくようにしています。
この確認書の取得率は現在、対象となる献金の9割を超えており(一部、本人と連絡が取れない等で取得できていないケースあり)、今年6月に家庭連合会員を対象に行ったアンケート結果(有効回答数3,482)では、97%の会員がこの方針が「適切に実施されていると感じる」という結果が得られています。
当法人が今年2月から導入した献金に関する改革のもう一つの大きな柱が、「受領書」の発行です。
これは献金を捧げられた会員の方に対して、献金を受け取ったことを証明する証書を発行するもので、特に10万円を超える献金を捧げられた方に対しては、原則受領書を発行するようにしています。
制度開始直後は、そのような習慣がなかったことや趣旨が伝わり切れていなかったこともあり、発行率が低かったですが、徐々に浸透し始め、現在は発行率が8割を超えるようになっています(振込による献金受領の場合は振込履歴で代用できるため、現金で献金を受領した場合に限られます)。
献金に関する改革の3つ目の大きな柱が、「霊的知見により不安を煽っていると誤解されるような献金奨励の禁止」です。これはすでに2009年3月の「信者らの献金奨励勧誘活動及びビデオ受講施設等における教育活動等に対する指導について」(コンプライアンス宣言)において注意喚起がなされていましたが、このたびの新法(不当寄附勧誘防止法)成立に伴い、再度その徹底を促した形になります。具体的には、今年2月に「教会改革のためのガイドライン」を策定し、その中に「家系図・霊能力等を用いた献金奨励の禁止(再徹底)」という項目を設け、今後このような献金奨励行為(そのような疑いをもたれる行為を含めて)を一切しないよう指導を徹底しました。
(「教会改革ガイドライン」P.3)
今年6月に家庭連合会員を対象に行ったアンケート結果では、98%の会員がこの方針が「適切に実施されていると感じる」という回答をしています。
伝道活動においても、正体隠しであるとの誤解を生むような点がないよう指導を徹底しています。すでに2009年3月のコンプライアンス宣言において、勧誘目的の明示等の指導がなされていましたが、今年2月に策定した「教会改革のためのガイドライン」と「伝道・教育に関する新ガイドライン2023」によって、伝道活動をする際に団体名の明示をするよう再度指導を徹底しました。
(「教会改革ガイドライン」P.7)
現在、当法人のすべての教会において、法人名を明記した看板が掲げられていますし、伝道活動に用いるパンプレット、チラシ、紹介文書等にも法人名を明記するよう指導しています。
当法人として、今まで信徒の家庭に対する十分な配慮や支援ができていなかったという反省をもとに、信徒家庭に対する総合的な支援体制を構築するため、全国に相談員を配置しました。一定の教育を受けて認定された相談員を現在までに1,500名任命・配置し、信徒や二世信者からの様々な相談に乗り、寄り添いながら解決に向かう努力をしています。
アンケートにおいても、実際に相談員に相談された信徒の方からは、以下のような声が寄せられています。
各地に相談員を配置するだけでは、そもそも教会から足が遠のいている方の問題を把握したり、その方が抱えている悩みを解決することはできません。そこで、牧会者をはじめとする教会スタッフが、積極的に信徒の家庭を訪問し、実際の生活の様子を確認しながら、相談に乗ったり、教会への要望を聞いたりすることを奨励しています(これを韓国のキリスト教の伝統に則って“尋訪(シンバン)”と呼びます)。
この“尋訪”は、以前から不定期で行われていましたが、今回の改革において教会スタッフの重要な活動の一環として位置付け、時間の許す限り定期的に行うよう指導しています。 実際に訪問を受けた信徒の方からは以下のような声が寄せられています。
上記の取り組み以外にも、直接各地の教会や、本部に設置された総合相談室に信徒の方からの相談・クレームが寄せられることがあり、それらに対してもできるだけ迅速かつ適切な対応ができるようにしています。昨年7月の事件直後は、毎月100件以上の相談が寄せられていましたが、一つひとつ適切に対応することによって、最近は徐々に減って来ています。
以下は総合相談室に相談を寄せられた信徒の声の一部です。
宗教の重要な使命の一つは人の魂を生かし、人格の成長および霊性の開発をサポートすることです。宗教法人としてのこの原点にもう一度立ち返るため、教理である統一原理を中心としたスタッフ教育・信徒教育を各地で進めています。
特に、統一原理で教える三大祝福(①個性完成:人格を完成させること ②家庭完成:夫婦が助け合い幸せな家庭を築くこと ③主管性完成:万物を正しく用い、理想的な社会環境を実現すること)の実現こそが法人の最重要ミッションであることを再確認し、これを改革の大方針として位置付けてリーダーシップ改革および組織改革に取り組んでいます。
過去の課題を解決し新しい組織を創るためには、新しい考えをもったリーダーが必要となります。その象徴的な取り組みとして、2022年10月、20名の二世圏牧会者を全国の重要拠点に配置しましたが、彼らが現在、各地で先頭に立って様々な改革の取り組みを進めています。
また、彼らに続く若年層のリーダーを育成するため、新入職員や若手職員等に対する定期的な職員教育の場を設けています。今後も定期的な人事異動の機会などを通して、二世圏牧会者を積極的に登用することで、改革のスピードを加速させていきます。
教会長の重要な役割の一つは、信徒が抱える様々な課題を一緒になって解決しながら、信徒の内的成長をサポートすることです。そのためには、信徒を大切にし、一人ひとりの状況にあった適切な指導・アドバイスをする同伴型・奉仕型のリーダーシップが必要となります。教会スタッフ、特に牧会者がこのようなリーダーシップを身に付けられるよう、定期的な研修の場を設けて指導・教育を行っています。
今回のアンケートにおいて「所属教会の牧会者およびスタッフには、信徒を大切にし、奉仕する姿勢を感じるか」を問うたところ、38.0%が「とても感じる」、47.2%が「ある程度感じる」と答えました。今後、この「とても感じる」の割合がもっと高くなるよう、継続した指導を行っていきます。
今回の教会改革の一環として、信徒の意見を取り入れた教会運営を目指しています。今まで各教会の運営に関しては、教会スタッフが中心になることが多く、信徒の意見がなかなか反映されないという課題が一部でありました。そこで、改革の方針の一つとして、各教会に信徒の代表者を含めた教会運営委員会を設置するよう指導しました。
すでに多くの教会で教会運営委員会を設置して、信徒の意見を取り入れた教会運営がなされるようになっており、さらに、教会内に目安箱を設置していつでも信徒が自由な提案をできるようにしたり、所属信徒に対して独自のアンケートを実施して、その結果を公表する教会も出てきています。
各地での社会貢献活動に関しては、従来から積極的に行っていましたが、より地域に根差し、地域から本当に必要とされる教会となるために、積極的な地域貢献活動を行うよう指導しています。
周辺道路や公園等の清掃活動、地域のお祭り・イベント等のお手伝い、チャリティー・バザーや災害時の支援活動など、教会がもっている人や場所などのリソースを地域に還元することで、地域が抱える課題を解決し、よりよい社会環境の創成に貢献するため、今後も積極的に社会貢献活動を行っていきます。