※冒頭の画像は一部加工しています。
編集:今日はよろしくお願いします。
まず、中田さんが家庭連合に入会されたのは何年でしょうか?
中田さん(以下、中と省略):私は、2001年に入会しました。最初に統一原理を紹介していただいたのは1988年でした。統一原理の中で、胎中生活、地上生活、天上(霊界)生活という、「人生の3段階」の内容を聞いて、「私が求めていたのはこれだ!」と思って本格的に学び始めました。統一原理が面白くて、早く続きが聞きたいと思って喜んで通っていましたね。その後、紆余曲折を経て、2001年に正式に入会しました。
編:それでは、2022年以降に中田さんの身の回りで起こったことについて教えていただいても良いでしょうか?
中:2022年の7月末、同居していた娘が自殺しました。
私の娘は当時、20代後半でした。娘は幼い時から精神的に弱く、人間関係のストレスが原因で体調を何度も崩していました。中学生のころから不登校になり、高校には行かずに、後に試験を受けて高卒認定を取りました。長く心療内科にも通っていました。成人してからは、パートやアルバイトの仕事をしていたのですが、人間関係でトラブルがあると、水仕事をしたわけでもないのに両手がすごく荒れて、蕁麻疹ができていました。それが、勤めを辞めると治るんです。そういったことを繰り返していましたね。
娘は、幼少期には私が教会に誘うと喜んで付いてきていましたね。私の3人の子供たちの中でも教会のイベントなどには一番参加していたんです。私の主人は教会員ではなかったこともあり、娘も成人後はそれほど教会には行かなくなりましたが、教会でイベントがあるときに手伝いをしたり、韓国・清平(家庭連合の聖地)には毎年のように私と一緒に行っていました。
ところが、2022年7月8日の安倍元首相の事件以降、テレビでもネットでも、家庭連合が相当批判的に報道され、娘はそれを家でずっと見ていました。私は娘のことがとても心配でした。というのも、その時期娘は、人間関係のストレスが原因で仕事を辞めたばかりで、精神的にかなり弱くなっていたからです。
7月8日の事件後、娘は私に「借金はいくらあるの!?」と強い口調で迫ってきたことがありました。当時、親の葬儀のために少しばかり借りたお金はありましたが、特に心配はないことを伝えると、娘はそれ以上聞いてきませんでした。他にも、私が近所の教会員の方と玄関で世間話をしていると、家中に響くくらいの大きな音を立てて部屋のドアを閉めたこともありましたね。
そして、7月後半、娘は自宅で自殺しました。娘のスマホに残っていたメッセージアプリを開くと、一番仲の良かったお友達とのやり取りの中に、「私の母は統一教会に貢ぎ借金をしている」「(母は)私を利用しようとしているのかな?」など、私を疑うような言葉が残っていました。それを見たときは本当に辛かったです。
編:本当にお辛い出来事でしたね。
中:子どもたちの中でも一番喜んで教会に行っていた娘は、2022年の事件が起きる前までは、そこまで教会に悪い印象は持っていなかったと思います。教会で行われるイベントや研修会にも年に数回参加していて、教会で学ぶことや、教会員と触れ合うことに心の安らぎを感じていたようでした。
それが事件以降、「元信者」といわれる人々の一方的な主張を聞き続ける中で、教会に対する恨みの思いに強い影響を受け、娘の心は追い込まれ疲れ果てていったのだと思います。今はやるせない気持ちでいっぱいですが、私としては、娘の分まで毎日を精一杯生きるだけだと思っています。
編:今日は、取材に応じていただき、ありがとうございました。
幼いころの娘と韓国・清平で撮った写真(本人提供)