編集(以下、編):森野さん、よろしくお願いいたします。
森野さんが家庭連合に伝道されたのはいつでしょうか?
森野さん(以下、森と省略):私は、結婚・出産を経て子育てをしていた1988年に伝道されました。その頃、友達が家庭連合に通っていて、その友達に紹介されて統一原理を勉強するようになりました。
実は、弟が1970年代に家庭連合に導かれていたので噂は聞いていたのですが、実際に教会に行ってみると、とても立派なところだったので嬉しかったです。(笑)
私も、高校生の頃に近くのキリスト教会に行って、聖書を読んだことがあったんです。神様はいらっしゃるのか、死んだらどうなるのかとか、そういうものに興味がありましたので。聖書を読んで、(アベルとカインの内容で)何で神様は平等じゃないんだろうって思っていたのですが、統一原理の講義を学んで納得したんです。これは日常の中でも通じる内容だなって思いました。
編:ご主人さんは、森野さんの信仰には反対されていたのでしょうか?
森:当時は、左派系の新聞が頻繁に統一教会を批判する報道をしていた時期だったんです。私は、実際に教会に通っていたので、世間で言われているほど悪いところではないと思っていました。しかし主人は、私が統一教会に通っていることを知ると、激しく反対しました。それから、いつもは穏やかな主人ですが、たまに暴力も振るうようになってしまいました。
夜寝ているときに、午前2時とか3時とかに起き出して、「統一教会をやめろ」と言って怒ってくるんです。とても怖かったです。私は当時は40代で若かったから、抵抗したりもしていましたね。
私は、どんなに主人から反対されても、この信仰に出会ったことが嬉しくて、離れないという強い思いがあったから、教会を辞めるという選択肢はありませんでした。反対が本当に強くて教会に行けないときや辛い時は、お父様(文鮮明師)のみ言(説教集)を訓読しました。お父様も行きたくないところに行かれたとか、愛しにくいものを愛してきたというみ言ですね。「あ!お父様もそうなんだ!」と思って、「じゃあ、私もそうやって愛していかなければならない」という風にみ言から回答をいただいていました。
編:森野さんから見て、教会の方々の良さとはどんなところだと思いますか?
森:そう、やっぱり真の父母様(文鮮明師・韓鶴子総裁ご夫妻)を中心としてますし、同じみ言を学んでいますから、心が通じる部分がありますよね。それに、人の話をちゃんと聞いてくれるし、本質的な話もできる。一般の方とは、自分の心の内までは、なかなか話せないですよね。教会の友達は生涯の友達です。この教会に感謝しています。
編:2022年以降、家庭連合の教会や信徒が置かれる環境は大きく変化しました。森野さんの周りでは、大きな変化はあったのでしょうか?
森:私が信仰を持ち始めて25年くらい経った2013年頃、当時60代後半だった私は、主人に「私の行きたい道を行かせてほしい」という話をしました。それまでずっと信仰を理解してもらえず、「友人に会いに行く」などとごまかして何とか教会に来ている状態で、それが嫌だったんです。また反対されるかもしれないと思いましたが、勇気を出して話してみました。すると、3年くらいかかりましたが、何とか主人の理解を得られて、教会の礼拝に通うことは許してもらえるようになりました。
それが2年前(2022年)の事件が起きて、テレビや新聞で盛んに家庭連合のことが報道されるようになってから、また元に戻ってしまいました。主人がまた怒り出すようになったんです。怒るとぶたれたり、小突かれたりして、肋骨の骨にひびが入ったことがこの2年間で2回ありました。腕を強く掴まれて、あざができたこともありました。主人は怒ると、「何でやめないんだ!」とか、「こんなに自分の人生をめちゃくちゃにした!」とか言いながら、別人のようになるんです。
主人がそのことを謝ったことはありません。私に暴力をふるったことを覚えていないのかなと思うくらいです。主人が怒り出すのが怖いので、私の方からはそのことに触れられません。
肋骨骨折時の診療明細書(画像は一部加工しています)
編:森野さんは、それでもご主人さんと離婚することは考えないのでしょうか。
森:私は、そのつもりは全くありません。主人の口からも離婚の話は一度も出たことはありません。
実は、主人が10年間ほど遠方に単身赴任していた時ですが、別居していたことはありました。その時、私の信仰に反対していた舅が、「家を出ていけ」と何度も言ってくるので、主人は「あんまり大変だったら(一時的に家を)出ていいよ」ということで、7年間ほど主人の実家の外に部屋を借りて、そこで子供と生活しました。その後、姑が亡くなったタイミングで、主人の実家に帰りました。それから7年間、舅には、息子の嫁として孝行できればと思って一生懸命に尽くしました。舅は、亡くなる前に私に対して手を合わせて、初めて私の下の名前を呼んで「ありがとう」と言ってくれたんです。これまで、一度もそんなことは無かったのですが。
あと、最近になって主人が「単身赴任していた間、周りに人が少なくて頭がおかしくなりそうだった」と言うんです。そんなに寂しかったとは、最近になって初めて知りました。
私は、舅や姑と一緒に住んでいましたが、二人とも子供(森野さんの夫)に対して分かりやすく愛情を表現するようなタイプではなかったという感じがします。お義母さんもさっぱりした方でした。主人は、親に対する寂しさみたいなものがあるから、私に対して難しい態度をとるのかもしれません。
だから最近は、いつか分かり合えると信じて、主人にも接することができるように努力していきたいと思っております。
編:これからまたご主人さんの反対が強くなって、森野さんがお怪我をされる可能性もありますか?
森:テレビや新聞の報道がまた増えてきたら、また暴力をふるわれるかもしれません。とにかく解散命令が下されないように、今はそれだけを願っています。