事件後、様々な経緯があり、本部より教会改革の号令がなされました。目標設定、評価基準、組織倫理などの変化・改善、そして世代交代まで急ピッチで行われています。一方、世の中からは疎まれ、メディアは罵詈雑言を浴びせ続け、教会前では連日反対する人たちが叫んでいたので気が萎える寸前での戦いでしたが、だからこそ粛々と変えるべきところは変えるんだ、という意思だけで走ってきました。
私はこの教会改革の中で「地域化の推進」と「次世代への継承」がその眼目にならなければならないと考えています。これらのことは、これまでも本部でも現場でも取り組まれてはいましたが、まだまだ不十分であったことは否定できません。だからこそ現在、教会が一丸となって取り組んでいます。
現在私が担当する教会でも地域化に対する教育や実践を進めていますし、教会で行われるすべての公的・私的行為が次世代へ受け渡していく意味を持っていることを教えています。しかし、組織の建付けや人材の配置の変化、新規定の導入などで果たされる部分はごくわずかだと実感しています。これらがなされていくためには、何よりも牧会者やスタッフまで含めた、食口たちの信仰観の変化が最も大切です。教会が「愛」を学ぶ場所であり、「愛」に触れられる場所であり、「愛」を実践する場所になることこそが教会改革の本質です。そして食口たちを評価するならば、愛の成長と実践を一番の評価軸にするべきです。
ここまで懸命に歩んできた教会員たちは愛を受けるべきです。抽象的なわかりづらい神学的な愛ではなく、彼らが実感できる生活的な愛であるべきです。それは彼らの悩みや苦しみに寄り添い共に泣くこと、希望や夢に向かい共に歩むことだと考えています。彼らの本性には天の願いが込められており、地の理想が息づいています。そして食口同士が本心からお互いに愛し合い、許し合い、夢を語り合うことができるなら、「地域化」も「次世代への継承」もそのままなされていくと信じています。現在の立場についてから8か月ほどが過ぎましたが、ゆっくりとそのような変化を感じ始めています。時間はかかりますが、教会員たちが誇りを持てる教会、二世たちが喜んで通える教会、真の家庭を築くことができる教会を目指し前進していきます。